上下分離

列車の運行を担う主体と、鉄道インフラの維持管理を担う主体を別の者とする仕組みのことを「(鉄道の)上下分離」といいます。

上下分離は、鉄道事業を地上インフラの建設や保有、維持管理に要する重荷から解き放ち、身軽にするところに最大の目的があります。わが国の鉄道は、伝統的に運行と施設保有を一体化した「上下一体」型で経営されてきましたが、1987年の国鉄民営化を機にJR貨物が上下分離方式の下で発足したように、その事例が増えつつあります。

大手民鉄においても、インフラ整備の主体と鉄道運行の主体を分離し、線路建設を行う第三セクターに対しては公的補助制度を適用するという上下分離の枠組みがつくられました。これにより、2008年に京阪の中之島線が、2009年には阪神のなんば線が建設されました。また、異なる鉄道同士を結ぶ連絡線の整備などを目的とした都市鉄道等利便増進法も2005年に成立し、相鉄とJR、相鉄と東急を結ぶ新線整備に適用されました。

一方、不採算に苦しむローカル鉄道の存続を図るために上下分離方式が導入されることがあります。こうした場合、経営難に陥った鉄道のインフラ部分(線路・電路・用地・車両など)を沿線自治体が取得して保有したり(分離型)、自治体がインフラに係る経費を全額補助したり(みなし分離型)する事例があります。(→鉄道事業法地域公共交通活性化再生法

より安心・便利な鉄道を目指して

  • 環境への取り組み
  • 安全への取り組み
  • 利便性向上への取り組み
  • マナーアンケートの結果