計画運休

大型台風・大雪などの自然災害による被害を未然に防ぐため、鉄道などの公共交通機関が前もって運転の休止を告知し、その告知に基いて実際に運休することを「計画運休」と呼んでいます。

鉄道のケースでは、例えば、「台風などで激しい風雨などが予想される際に、長時間にわたって駅間停車や途中駅で運転取り止めとなる可能性がある場合に、乗客の安全確保などの観点から、広範囲にわたる路線において、すべての列車の運転を長時間にわたって運転休止することを前広に計画し、情報提供した上で運休するもの。」と説明されています。

鉄道の運休は、事故や車両の故障、システムの不具合、自然災害などによって運行が阻害され、通常運行ができなくなったとき、事後に行われるのが普通でした。しかし、気象情報の精度が高まり、台風の進路や規模などを正確に予測することが可能になった今日では、自然災害による混乱を"未然に防ぐ"という発想に立って対策を講ずるという選択肢が増えました。

計画運休が初めて注目されたのは、2014年の台風14号の接近に伴って行われたJR西日本の事例だと言われています。

その後、2018年の台風21号と24号、2019年の台風15号と19号では、大型台風の直撃による被害や列車の駅間停車などによる混乱を避けるため、複数の大手民鉄がJR各社とともに計画運休を実施しました。

国土交通省では、こうした動きを受けて「鉄道の計画運休に関する検討会議」を設け、鉄道関係者の情報交換に努めるとともに、今後の計画運休のあり方について検討し、2019年10月に、ひとつのガイドラインとして「鉄道の計画運休の実施についてのとりまとめ」を公表しました。「とりまとめ」には、①利用者への情報提供の内容とタイミング、②振替輸送のあり方、③地方自治体への情報提供の方法、④情報提供タイムラインの作成、などが示されました。民営鉄道各社は、この「とりまとめ」の内容を踏まえ、より円滑に計画運休が実施できるよう、検討を進めています。

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