振替輸送
突発的な事故などによって鉄道の運行が不能となった場合、あらかじめ支障区間の乗車券を所持しているときは、追加運賃を支払うことなく、他社路線など別の経路を利用することができるサービスのことを「振替輸送」といいます。
都市交通のネットワークは民営鉄道とJR、鉄道とバス、地下鉄などが複雑に入り組んだ形で成り立っています。通勤・通学に利用する人々は、その中から自分に最も効率のよいルートを選択して利用しています。しかし、事故や故障などのためにその一カ所にトラブルが起これば、その影響は広範囲に及びます。
そこで、万が一事故が起こった場合には、各事業体や路線当事者の間で速やかに連絡を取り合い、迂回、乗り継ぎなどの手段を利用者に伝達しながら混乱を避けます。いわば、旅客輸送の"応急措置"ともいうべきものです。この場合、緊急時には他の路線の乗車券や定期券も利用できるようにする場合もあり、これを「振替輸送」と呼んでいます。
振替輸送を行うかどうか、行う場合はどの区間を対象にするかなどについては、状況に応じて鉄道会社から案内されます。案内された区間以外の経路を使ったり、他の交通機関を利用したりするときは、利用者がその運賃を負担することになります。