ポイント(転てつ器)
列車を他のレール上に分岐させるための装置全体を「分岐器」といい、その中でレールを分ける装置のことを「ポイント」といいます。「転てつ器」とも呼びます。
分岐器は、分岐部分のポイント部、中間部分のリード部、そして交差部分のクロッシング部から成り、ポイント部には転てつ棒などの転てつ装置が置かれています。転てつ器の「てつ」は漢字で「轍」と書き、わだち(車輪の跡)のことです。「転てつ器」とは、いわゆる"列車の通り道"を切り替える装置で、列車の運行上、たいへん重要な役割を担っています。
かつては係員が転てつ装置の設置してある場所まで行って、力いっぱい切り替えレバーを操作していましたが、現在では電気でモーターを動かす電気式や圧縮空気を使う空気式に変わり、人力に頼る機械てこ式はほとんど見られなくなりました。機械化が進む大手民鉄では、コンピューターと通信回線による信号機能や案内放送と連動させ、遠隔操作でポイントの切り替えを行っています。こうした装置は「連動装置」と呼ばれ、構内の列車が安全、確実に進路を変更できるように制御しています。
ポイントの弱点は厳しい寒さに弱いことです。とくに大雪の日などはポイントが凍りついて動かず、ダイヤ混乱の原因となります。しかし、最近は雪の日に一晩中電車を走らせたり、ポイントを温めたりして正常運転を確保しています。