カント
カーブを走る列車は、遠心力の作用によってカーブの外側に押される形になります。そこで遠心力の影響を少なくするため、カーブ外側のレールを内側よりもやや高くします。このように2つのレールの頭部上面に高低差を設けることを「カント」といいます。この設計によって乗客の体に感じるカーブの影響も少なくなります。
カントは曲線半径、列車速度、軌間による計算式で算出できます。遠心力は、列車速度が速いほど大きく、また曲線半径が小さいほど大きいので、それに応じてカントも大きくしなければなりませんが、安全面から限度があります。日本の鉄道で最も多く採用されている軌間(線路の幅)1067㎜の場合、一般に最大カントは105㎜とされています。(→軌間)