シールド工法
地下鉄建設などの際、地上から開削せずに地下を掘り進み、前面を盾(たて)のようなもので押さえながら、まわりを鉄筋コンクリートなどで囲めてトンネルを完成させる工法のことを「シールド工法」といいます。
シールド工法は、発進用のたて坑を基地として、そこから掘削機(シールドマシン)を入れ、モグラのように穴を掘り進んでいきます。掘削を終わった後、コンクリートブロック(セグメント)をマシンの中で組み立ててトンネルをつくります。シールド工法は軟弱地盤や深いトンネルも開削できるため、最近の地下鉄工事では主流となっています。
「シールド」(shield)とは盾という意味で、シールドマシンは茶筒のような形をして、前面には回転する巨大なカッターがついています。シールドは円型、半円型、馬蹄型、角型など多彩です。地下鉄工事では円型と半円型で、大きさは直径約5~7mの単線用と、直径約8~10mの複線用の2種類がよく用いられます。
2008年に開通した地下鉄副都心線の工事では、楕円形のトンネルを掘ることができる複合円形シールドマシンが登場。これまで2台のマシンが必要だった楕円形トンネルを、一台で築造することができるようになりました。このシールドマシンのカッターディスクは、葛西駅の地下鉄博物館内にモニュメントとして展示されています。(→開削工法)