踏切
鉄道線路と道路が平面交差する部分のことを「踏切」といいます。法律では「踏切道」という用語を使っています。
鉄道線路は、やむを得ない場合を除けば、「道路法による道路に敷設してはならない」(鉄道事業法第61条)と定められています。このため、新たに線路を建設するときは、原則として道路と立体交差させなければなりません。ただし、列車の運転本数や道路の交通量が少ない場合や、地勢地形などからやむを得ないと認められた場合には、平面交差も許されています。
わが国には、2018年度時点で33,098箇所の踏切があり、そのうちJRが20,182箇所、JR以外は12,916箇所です(一般財団法人運輸総合研究所「数字でみる鉄道2019」より)。踏切の改良を目的とする「踏切道改良促進法」が制定された1961年には全国で70,738箇所もありましたが、法律の施行とともに踏切の整備や立体化が進み、今日ではピーク時に比べ半減しています。なお、大手民16社の踏切は、2018年度末で5,486箇所となっています。
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」では、「踏切道は、踏切道を通過する人及び自動車等の安全かつ円滑な通行に配慮したものであり、かつ、(中略)踏切保安設備を設けたものでなければならない。」と規定し、安全確保のために必要な対策を行うことを義務づけています。
踏切は次のように分類されており、その総数と構成比(2018年度)は、それぞれ〔 〕内に示したとおりです(一般財団法人運輸総合研究所「数字でみる鉄道2019」より)。
①「第1種」:甲・乙の2種類に分けられる。〔甲乙合計:29,748箇所・91%〕
ⓐ「第1種甲」: 「自動踏切遮断機」を設置するか、または踏切保安係を配置し、すべての列車などに対し、遮断機で道路交通を遮断するもの。
ⓑ「第1種乙」: 「自動踏切遮断機」を設置するか、または踏切保安係を配置し、始発から終発までの時間内における列車な どに対し、遮断機で道路交通を遮断するもの。
②「第2種」:踏切保安係を配置し、一定時間内における列車などに対し、遮断機で道路交通を遮断し、それ以外の時間においては第4種となるもの。〔0箇所・0%=全廃〕
③「第3種」: 「踏切警報機」を設置して列車などの接近を知らせるも。〔698箇所・2%〕
④「第4種」: 第1~3種まで以外のもの。踏切保安係もおらず遮断機・警報機も設置されていない踏切。〔2,652箇所・7%〕
(→踏切保安装置、踏切事故)