単線・複線・複々線

ある駅から次の駅に向かう列車と、逆の方向に走る列車が、同じ線路を共用して走る線路を「単線(single track)」といいます。一方、上下列車がそれぞれ別の線路で走るものを「複線(double track)」、複線が2つ並んだものを「複々線(fourtrack line)」といいます。それぞれの特徴は次のとおりです。

①「単線」 :反対方向から来る列車と駅か信号場で行き違うので、そのための施設(行き違い施設)を設ける必要があります。こ うした状況から運転本数や運転速度が制約を受けるので、輸送需要が多くなると輸送力が足りなくなります。

②「複線」 :単線に比べて列車本数が3倍近くにまで増やせる上、スピードアップもできるため、輸送力も約3倍に増強されます。踏切事故などでダイヤが乱れた場合にも、後続列車への影響が単線より少なく、復旧も早いという利点があります。

③「複々線」 :特急、急行と各駅停車を同じ方向に並んで走らせることができるため、さらに効率的な運転が可能です。

大都市圏では、高度経済成長期に輸送需要が急増したため、大手民鉄では各地で複々線化工事が進められました。こうした輸送力増強工事の結果、1965年当時300%に迫っていたラッシュ時の平均混雑率は、近年、150%前後に低減されました。

なお、新しい考えとして、東急東横線祐天寺駅で見られるような「1.5複線」も導入されています。これは、複線区間にある一部の区間で、上り線と下り線の間に通過線を1本新設し、特急や急行などの優等列車を走らせる仕組みです。大都市圏の通勤・通学輸送のようにラッシュ時の一方向に偏りが大きい場合、複々線ではなく複線で対応しようという考えから生まれたものです。

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