車内通報装置

列車の車内で事件・事故や急病人が発生したとき、乗務員に対して非常事態を知らせるための装置のことを「車内通報装置」といいます。「車内非常通報装置」や「非常通報器」と呼ぶこともあります。この装置は各車両のドア横や車両連結部付近の壁面に設置されることが多く、SОSシールを貼って目立つようにしている例もあります。

トラブルを察知した人が「車内非常通報ボタン」を押すと乗務員室内のブザーが鳴動し、緊急事態を知らせます。この警報を受けたとき、運転士は各社の取り決めに従い緊急に対応します。その場で直ちに列車を停車する、トンネル内や橋梁を避けてすみやかに停車する、最寄り駅まで走行してから停車する、などの方法がありますが、いずれの場合も状況に応じて最も安全な措置を講ずることが必要とされます。また、トラブルの状況は乗務員から運転指令に伝えられ、駅での対応が準備されます。

なお、「非常通報ボタン」が押されると、その車両の車側灯がオレンジ色に点灯し、車内のブザーも鳴動します。これは駅係員がトラブルの発生した車両をいち早く発見するためのものです。

今日ではマイクを通じて乗客と乗務員が通話できるタイプ(対話式非常通報装置)、ブザーと通話を併用するタイプも増えつつあり、以前と比べ非常事態の内容を迅速かつ詳細に把握できるようになっています。(→列車非常停止警報装置

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車内非常通報ボタン

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