軌道(軌道事業)

レールの上を車両が走るという点では鉄道と変わりませんが、原則として道路に設けられ、道路交通を補助することを目的とした輸送システムのことを「軌道」といいます。

「軌道」は、外見や構造は「鉄道」とよく似ています。しかし、法律上は明確に区別されています。例えば、鉄道事業を行うときは、鉄道事業法に基づく「許可」が必要で、軌道事業を行うときは、軌道法に基づく「特許」が必要です。線路の敷設も、「鉄道線路は、道路法による道路に敷設してはならない」(鉄道事業法第61条)とされるのに対し、「軌道ハ特別ノ事由アル場合ヲ除クノ外之ヲ道路ニ敷設スヘシ」(軌道法第2条)と定められています。

鉄道は、専用のレールを使って高速で車両を走らせ、人または貨物を運ぶための輸送システムです。一方、軌道は路面電車を運行するためのシステムであり、お互いに目的や性格は異なります。ただし、輸送統計などでは、「鉄軌道部門」として一体的に取り扱われることもあります。

軌道が輸送人員の増加や速度の向上のため、専用の線路敷を持ち、軌道の枠を出ることがあります。こうした実態に対処できるよう鉄道事業法第62条に「軌道からの変更」の規定が置かれています。内容は、「国土交通大臣の許可を受けて当該軌道事業を鉄道事業に変更することができる」「前項の許可を受けた者は、第一種鉄道事業の免許を受けたものとみなす」、というものです。

なお、「軌道」には、こうした軌道法に基づくものとは別に、鉄道、軌道の別を問わず、「列車が通る道」という意味でも使われます。この場合、レール、レール締結装置、まくらぎ、道床(一般にはバラスト)など道床から上の構造物の総称として使用されます。(→鉄道鉄道事業

画像は軌道事業例

37-1 軌道 伊予鉄道.jpg
富山地鉄
37-2 軌道 富山地方鉄道.jpg
伊予鉄道

より安心・便利な鉄道を目指して

  • 環境への取り組み
  • 安全への取り組み
  • 利便性向上への取り組み
  • マナーアンケートの結果