回生ブレーキ

電車がブレーキをかけたとき、モーターを発電機として作用させ、発生した電力を電車線に戻し、ほかの電車が使えるようにする電気式ブレーキのことを「回生ブレーキ」といいます。

電車のブレーキ方式には、大別して、①車輪の回転を摩擦力で低下させる方法と、②モーターの回転力を電気的に低下させる方式があります。後者を、電気ブレーキ方式と呼びます。「電動機(モーター)」と「発電機」は同一の機器ですが、電気を流すと電動機となり、逆に、力を加えて回転させると発電機になります。この性質を利用し、モーターを発電機として機能させると、発電によって回転力が低下し、ブレーキ力を得ることができます。これが電気ブレーキの仕組みです。

モーターを発電機として機能させるためには、発電した電気を消費するための「負荷」が必要です。回生ブレーキは、発電した電気を、パンタグラフを通じて電車線に流し、近くの電車に消費させてブレーキ力を得るのですが、このとき、ほかの電車が「負荷」となるわけです。文字どおり、電力を回生し、再利用するためのブレーキシステムといえます。

回生ブレーキは、チョッパ制御やVVVF制御と同様、エネルギーの効率的な利用を可能にするものです。こうした設備のある省エネ型電車は、エネルギーの使い過ぎによる地球温暖化などの防止など、環境保護にも一役買っています。回生ブレーキを備えた電車は、大手民鉄を中心に、多数が導入されています。(→インバータ車省エネルギー車両

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