2020年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング

今年度は、「新型コロナウイルス感染症に関して電車利用時に気になること」の設問を追加

日本民営鉄道協会(東京都千代田区)では、2020年10月1日(木)から11月30日(月)までの2か月間、当協会ホームページ上で「駅と電車内のマナーに関するアンケート」を実施し、1,908人の方から回答が寄せられました。

アンケート結果では、昨年同様「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」が1位となりました。

また、昨年5位であった「騒々しい会話・はしゃぎまわり」が僅差で2位となり、「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」も昨年6位から4位になるなど、新型コロナウイルス感染症の影響が見られる結果となりました。

それ以降の順位は、「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」が3位(昨年2位)、「スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作音)」が5位(昨年4位)となり、これらの行為を迷惑と感じている方が多いことが読み取れました。

また、今回新たに設けた「新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、電車利用時に気になること」の設問に対して、約7割の方が、「マスク未着用者」をあげるなど、多くの方が電車を利用する際に気になる点があるとの結果になりました。

電車や駅を利用している際の「うれしかった」「心が温まった」行為として、「子どもが泣いたときに周りの人があやしてくれた」や、「若い人が妊婦、お年寄り、怪我をしている方に席を譲っていた」などの回答がありました。

1.新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、電車利用時に気になること

項目 割合(%)
マスクの未着用者 67.5
周囲の人の会話 53.2
隣の人との距離 48.6
車内の換気 41.8
特にない 7.2
その他 6.4
  • その他の回答例
  •  「車両の抗菌対策」、「咳やくしゃみをしている人」など

2.お客様が迷惑と感じる行為

(1)総合ランキング(※回答は最大3つまで)

順位 (昨年) 迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
1 (1) 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等) 37.8 (41.3)
2 (5) 騒々しい会話・はしゃぎまわり 33.9 (27.6)
3 (2) 乗降時のマナー(扉付近で妨げる等) 28.7 (33.2)
4 (6) 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする 24.9 (20.1)
5 (4) スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等) 23.2 (31.1)
6 (3) 荷物の持ち方・置き方 21.0 (32.0)
7 (8) ゴミ・空き缶等の放置 17.5 (12.5)
8 (7) ヘッドホンからの音もれ 16.9 (18.6)
9 (9) 酔っ払った状態での乗車 13.4 (12.3)
10 (10) 車内での化粧 12.4 (11.4)
11 (11) 優先席のマナー 10.1 (9.9)
12 (12) 電車の床に座る 9.1 (8.3)
13 (13) 決められた場所以外での喫煙 8.9 (7.9)
14 (14) 混雑した車内での飲食 8.4 (7.4)
15 (15) 電子機器類(携帯ゲーム機・パソコン等)の操作音 7.1 (5.6)
16 (-) エスカレーターのマナー(大きな荷物を端に寄せない、ぶつかってくる)※ 5.0 (-)
17 (16) その他 4.6 (5.5)
18 (17) 混雑した車内で新聞・雑誌等を読む 3.7 (5.5)
19 (18) 特にない 1.0 (0.5)
  • ※「エスカレーターのマナー(大きな荷物を端に寄せない、ぶつかってくる)」は今年新たに設問しました。

(2)上位3項目の具体的な迷惑行為

上位にランクインした「座席の座り方」「乗降時のマナー」「スマートフォン等の使い方」の3項目については、さらに具体的な迷惑行為を以下のとおり取りまとめています。

①『座席の座り方』のうち、最も迷惑に感じる行為は?

迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
座席を詰めて座らない(間を広く取る、荷物を置く、足を広げる等) 54.6 (61.2)
座りながら足を伸ばす・組む 24.4 (23.1)
お年寄や身体の不自由な方、妊婦の方等に席を譲らない 11.1 (5.6)
(子供が)靴を履いたまま座席に立つ 2.9 (4.3)
(眠って)寄り掛かってくる 2.1 (2.4)

②『乗降時のマナー』のうち、最も迷惑に感じる行為は?

迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
扉付近から動かない(乗降を妨げる、奥に詰めない等) 53.2 (56.5)
降りる人を待たずに乗り込む 22.5 (20.4)
並ばないで横から割り込む 11.3 (9.5)
駆け込み乗車 7.1 (5.5)
周りの人を押しのける 1.8 (4.2)

③『スマートフォン等の使い方』のうち、最も迷惑に感じる行為は?

迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
歩きながらの使用 51.5 (43.1)
混雑した車内での使用 19.6 (32.1)
通話の声や着信音 12.2 (11.7)
乗降しながらの使用 11.7 (7.8)

(3)男女別ランキング

《男性》

順位 (昨年) 迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
1 (1) 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等) 35.8 (37.5)
2 (5) 騒々しい会話・はしゃぎまわり 35.2 (28.8)
3 (2) 乗降時のマナー(扉付近で妨げる等) 31.0 (35.5)
4 (3) スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等) 23.6 (33.6)
5 (7) 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする 23.6 (16.9)

《女性》

順位 (昨年) 迷惑行為項目 割合(%) (昨年)
1 (1) 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等) 44.1 (48.5)
2 (6) 騒々しい会話・はしゃぎまわり 29.5 (25.4)
3 (4) 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする 29.0 (27.4)
4 (2) 荷物の持ち方・置き方 27.5 (34.3)
5 (5) スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等) 22.0 (26.3)
  • *1位はともに「座席の座り方」でしたが、その他の項目や順位には違いがみられました。

(4)地域別ランキング

《大手民鉄 関東9社》

《大手民鉄 関西5社》

順位 迷惑行為項目
1 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)
2 騒々しい会話・はしゃぎまわり
3 乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)
4 スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)
5 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする
順位 迷惑行為項目
1 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)
2 騒々しい会話・はしゃぎまわり
3 荷物の持ち方・置き方
4 乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)
5 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする

3.駅や電車内でのマナーの改善の傾向

「あなたは、駅や電車内でのマナーについて、以前にくらべて改善されたと思いますか。」という設問に対して、「変わらない」と回答した方が44.3%と最も多い結果となりましたが、昨年に比べ「改善された」「やや改善された」の割合がそれぞれ増え、「やや悪化した」「悪化した」の割合は減りました。

合計 改善された やや
改善された
変わらない やや
悪化した
悪化した
割合(%) 5.6 26.2 47.6 10.1 10.6

4.お客様が「うれしかった」「心が温まった」と感じた行為

電車や駅を利用している際、「うれしかった」「心が温まった」行為として、「子どもが泣いたときに周りの人があやしてくれた」や、「若い人が妊婦、お年寄り、怪我をしている方に席を譲っていた」など多くの回答をいただきました。その中での具体例をいくつかご紹介いたします。

(具体例)
妊婦の時、たくさんの人から席を譲って頂いたこと。
車内で子どもが大きな声で泣いてしまっていたときに、周囲にいた人たちで笑わせたり遊んだりして機嫌を取っていたこと。
目が見えないお客さんに降車駅を案内しているお客さんを見たこと。
自分のゴミじゃないのにゴミを拾っていた人を見たこと。
忘れ物があることを声かけしてもらったとき。

調査概要

○調査期間
2020年10月1日(木)~11月30日(月)
○内   容
駅と電車内のマナーに関して
○調査方法
当協会ホームページにて実施(複数選択式)
○回答総数
1,908人

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