定期券

あらかじめ決められた期間と区間内であれば、何度でも自由に乗車できる割引乗車券のことを「定期乗車券」といい、略して「定期券」といいます。1か月、3か月、6か月定期が普通ですが、一年間の定期を発売している会社もあります。

運賃が割り引きされる定期乗車券が日本に導入されたのは1886(明治19)年のことです。初めは旧国鉄の上等・中等(その後1、2等)だけを対象としたもので、運賃の高い上等・中等の利用者をたくさん集めようと、いわば「販売促進」を目的にしていました。

旅客の誘致という点では、その後に導入された民営鉄道も同じでした。新設された郊外電車には利用者の絶対数が少なく、乗車回数の多い人の運賃を割引で優遇し、乗客を増やそうとしたわけです。現在では通勤・通学客の大半が定期券を利用するようになり、一種のシンボル・カードのような存在にもなっています。

定期券の便利さは「いちいち切符を買わないですむ」、「途中で何回も下車、乗車できる」などです。こうした便利さがある半面、特に地方民鉄にとっては定期運賃制度が経営圧迫の一因にもなっています。これは、地方民鉄では通学客が需要の中心を占めているのに対し、通学定期券の割引率が大きく設定されているからです。

ちなみに、民営鉄道の割引率を見てみると、大手民鉄では通勤が36%台~45%台、通学が66%台~82%台、地方民鉄では通勤が29%台~53%台、通学が42%台~81%台となっています(2019年:初乗運賃区間・1か月定期)。

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