運賃
運送契約に基づき、利用者から鉄道会社に支払われる輸送サービスの対価のことを「運賃」といい、輸送する対象により、「旅客運賃」と「貨物運賃」に分けられます。旅客運賃には、よく知られた「普通旅客運賃」「定期旅客運賃」のほかに、「貸切旅客運賃」「特殊割引運賃」などがあります。
鉄道事業法第16条第1項では、鉄道の運賃について、「鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」と規定しています。新たに運賃を設定するだけでなく、改定するときも国による「認可」が必要です。
また、認可に際しては、「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。」という基準が設けられています(鉄道事業法第16条第2項)。
このようにわが国では、"適正な原価に適正な利潤を加えたもの"を総括原価として、その原価に見合う収入が得られるように運賃が決められる仕組みとなっています。
なお、2000年に鉄道事業法が改正され、総括原価に基づき事業者ごとに個別の運賃を「認可」する制度を維持しながら、新たに、「上限運賃の認可」という仕組みが導入されました(2001年3月から施行)。(→運賃改定)