鉄道Q&A
- 民営鉄道のレールの幅は、どの鉄道会社も同じなのですか?
すべてのレールが同じ幅というわけではありません。民営鉄道の軌間は大きく4種類に分けられます。
[解説]
レールの幅のことを「軌間」といいます。すべてのレールが同じ幅というわけではなく、軌間は大きく数種類に分けられます。
世界で初めて実用化された英国の鉄道の軌間は1,435mmだったので,これが国際的に「標準軌」(標準軌間=standard gauge)と呼ばれています。これより広いものを「広軌」(broad gauge)といい、世界には1,524mm、1,600mm、1,676mmといった例が見られます。これより狭いものを「狭軌」(narrow gauge)といい、1,067mm、1,000mmといった例があります。
わが国では1872(明治5)年に新橋-横浜間に開通した初めての鉄道で1,067mmの軌間が用いられ、1887(明治20)年に制定された「私設鉄道条例」により、軌道の幅員は"特許を得たときを除いて3フィート6インチ"と定められました。また、1910(明治43)年に「軽便鉄道法」が制定され、762mmの軌間を用いたナローゲージの鉄道も出現しました。
民営鉄道の軌間には、幅の広い順に、①1,435mm、②1,372mm、③1,067mm、④762mmの4種類があり、③の1,067mが最も多く用いられています。それ以外は次のとおりです。
①〔1,435mm〕 京成、京急、東京メトロ銀座線・丸ノ内線、京阪、阪急、阪神の全線、近鉄の幹線・湯の山線、西鉄の天神大牟田線、新京成電鉄
②〔1,372mm〕 京王(井の頭線を除く)、東急世田谷線
④〔762mm〕 三岐鉄道北勢線
首都圏では、銀座線・丸ノ内線を除く東京メトロの各路線が大手民鉄の各路線と相互乗り入れを果たしていますが、これはどちらも軌間が1,067mmであることから実現したものです。また、井の頭線を除く京王線は1,372mmで、同じ軌間の都営地下鉄新宿線と直通運転を行っています。
民営鉄道とJR在来線との相互乗り入れ(軌間:1,067mm同士)は、東京メトロ、小田急電鉄、東武鉄道、相模鉄道、伊豆急行、伊豆箱根鉄道、青い森鉄道、仙台空港鉄道などで行われています。
なお、JRの新幹線は標準軌間、JRの在来線は1,067mmです。(→鉄道用語事典「軌間(ゲージ)」)
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