有料着席サービス
運賃に加えて一定の料金を支払うことで通勤電車の着席が保証されるサービスのことを「有料着席サービス」といいます。
所定の運賃のほかに座席指定券などの特別料金を必要とする列車を有料列車といいます。民営鉄道では、例えば小田急のロマンスカーや東武のスペーシア、西武のレッドアローのように、都心と有名観光地を結ぶデラックスな特急列車が典型的な有料列車として認識されていました。
近年は、こうした観光型の有料列車とは別に、"朝夕の通勤時間帯"に合わせて有料の着席サービスを提供する新しいタイプの通勤電車が登場しました。その原型は、1984年12月に登場した京成の「イブニングライナー」と言われています。当時、夕方のラッシュ時間帯に定額制の号車指定(定員制)サービスが初めて導入され、翌1985年10月には朝のラッシュ時間帯にも同様のサービスが提供されました(モーニングライナー)。その後、どちらも座席指定制に変更され現在に至っています。
定員制または座席指定制の通勤電車は、ラッシュ時間帯でも「確実に座りたい」「ゆったりとくつろいで通勤したい」「通勤時間を有効に活用したい」という利用者のニーズに応えたもので、座席・設備なども一般の通勤車両に比べてグレードアップされています。料金は定額制、対距離制によるものと様々ですが、通勤電車タイプでは300円~700円が多く、定期券を持っていればワンコイン程度の追加料金で利用できる手軽さが好評を博しています。
大手民鉄では、京成の両ライナーのほか、東武(TJライナー、スカイツリーライナー、西武(S-TRAIN)、京王(京王ライナー)、小田急(モーニングウェイ他)、小田急・東京メトロ(メトロモーニングウェイ他)、東急(Q SEAT)、京急(モーニング・ウィング、ウィング)、東京メトロ・東武(THライナー)、名鉄(ミュースカイ、特別車)、近鉄(アーバンライナーなどの特急)、南海(泉北ライナー)、京阪(ライナー、プレミアムカー)など多数が運行されています。