ホームドア
ホームと線路を仕切るスクリーン(衝立)状の設備で、ホームの端に設けられ、線路側に身体を出すことができない構造のものを「ホームドア」といいます。
ドアを開けるとき、運転士は列車が定位置に停車したことを示す運転席のランプを確認し、「戸開」ボタンを操作します。ドアを閉めるときは、運転席にあるモニターで乗降を確認し、「戸閉」ボタンを操作します。車両の扉とホームドアが閉まったことを運転席のランプで確認した後に、列車を発車させます。
わが国では、まず新交通システムのホームで導入されました。地下鉄では1991年11月に開業した旧営団地下鉄(現:東京メトロ)南北線の1期工事区間6駅(駒込~赤羽岩淵)に初めて設けられました。南北線は、全線でATO(自動列車運転装置)が導入され、ワンマン運転が行われているため、開業当初から天井近くまで達するフルスクリーンタイプのホームドアが採用されています。
乗客が乗降するとき以外、ドアは常に"閉"になっており、この"仕切り"がホームを線路部分から完全に隔離しているので、ホームの乗客が線路内に立ち入ったり、転落したりするのを防ぐことができます。
なお、ホームから130cm程度の高さの「可動式ホーム柵」も、わが国では広い意味でホームドアと呼ばれています。大手民鉄では、国土交通省と鉄道事業者などで構成する「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」がとりまとめた検討結果(2016年12月)を踏まえ、現在、可動式ホーム柵などを中心にホームドアの整備を進めています。(→ATO)