ブレーキ制動距離

走行している列車を減速させたり停止させたりすることを「ブレーキ」といい、ブレーキを作動させてから列車が停止するまでの列車走行距離のことを「ブレーキ制動距離」といいます。

列車のブレーキ制動距離は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に基づく「解釈基準」に、「新幹線以外の鉄道における非常制動による列車の制動距離は、600m以下を標準とすること。」と定められています。この規定に従い、一般の電車は非常ブレーキをかけてから600m以内に停車するように措置されています。

同じ車両のブレーキでも、条件によってブレーキ制動距離は違ってきます。例えば、列車編成が長く乗客が満員のときは、乗客が少ない電車に比べブレーキ制動距離が伸びるのが普通です。降雪や降雨のときなどは、車輪の摩擦抵抗が弱まり、制動から停止までの距離が長くなります。こうした条件の下では、運転士は細心の注意を払ってブレーキ操作を行います。なお、最近の車両は高密度化された輸送形態に対応するため、ブレーキ性能が一段と向上しています。

なお、前記の「解釈基準」のただし書きには、「防護無線等迅速な列車防護の方法による場合は、その方法に応じた非常制動距離とすることができる。」と記されています。成田スカイアクセス線を走る京成スカイライナーは、防護無線を用い、踏切のない区間でブレーキ制動距離を1,100mまで延伸する認可を得て、時速160kmの高速運転を行っています。

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