運転理論

大量輸送機関である鉄道は、安全かつ効率よく運行しなければなりません。そこで、列車を走らせるための「動力」と、走行を妨げようとする「列車抵抗」と、自由にスピードを落としたり停止させたりする「制動力(ブレーキ)」の3つのバランスをとることが重要です。この三者の組み合わせ、使い分けを科学的に追究するのが「運転理論」です。

「動力」は、電車が動き出すとき、高速で走行しているとき、カーブやこう配区間を通過しているときなど、状況によって異なります。

「列車抵抗」は、この動力によって進行しようとする力を妨げる抵抗のことで、例えば、①列車の車輪とレールとの摩擦、②車輪と軸受の間の摩擦、空気抵抗、車輪の揺れによって起こる抵抗、③列車が発車するときに車軸受けの摩擦で起こる抵抗、④上り坂やカーブ区間を通過する際に起こる抵抗、⑤トンネルでの風圧、⑥列車加速時の抵抗、などがあります。

また、列車は力行(りっこう)と惰行(だこう)を繰り返しながら走行します。力行とはノッチ(自動車のアクセルに相当)を入れて列車を加速走行させ、惰行はノッチを切って走らせることです。

運転理論により、列車の走行状況(速度、力行、惰行、ブレーキ位置など)と、駅間の走行時分を運転曲線として可視化し、ダイヤ作成などに活用します。

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