運転整理
事故や災害、車両故障などによって列車ダイヤが乱れたとき、列車の運行を正常に戻すため一連のダイヤの変更を行うことを「運転整理」といいます。
鉄道には、乗客を安全、確実に目的地まで運ぶ任務を与えられています。特に大都市の鉄道は、2~3分に1本の列車を運行するダイヤで朝夕のラッシュアワーに対応しています。そのため、たとえ1本の列車のわずかな遅れでも、これが他の列車の運行に影響を与え、ダイヤ全体が混乱するおそれがあります。
そこで、こうした混乱を防ぐため、発車時刻や番線、停車駅、行き先駅、列車種別、運転順序の変更などのほか、一部列車の運行取り消し、臨時列車の運転などにより、できるだけ早く正常な状態に戻す作業が必要となります。
大都市の鉄道では、運転整理システムを用いながら、運転指令所の指令員が運転整理を行います。指令員はダイヤグラムを構成している列車の性能を熟知していることが必要であり、各駅の構内配線、ホームの長さにも精通していなければなりません。また、短時間で複数の課題の解決を迫られるため、非常に難しい業務として知られています。(→運転指令)