車内信号方式
列車の運転室内に信号を現示する信号方式のことを「車内信号方式」といいます。
信号機は線路脇に立っているのが普通ですが、 大都市の鉄道や地下鉄では線路脇に信号機を全く見かけない区間があります。これは、その区間で車内信号方式を導入しているからです。特にトンネルでカーブが多く、信号を見通す距離が短い路線で採用されています。
信号を現示する「車内信号機」は、普通は運転席のスピードメーター(速度計)に併設されています。具体的には、スピードメーターの周囲に0、25、40、55、75、90km......などと、その区間の制限速度が表示されています。運転士はこれに従って速度を調節し、もし制御が遅れたときはAТC(自動列車制御装置)によって自動的にブレーキがかかり、制限速度まで減速され安全を確保します。車内信号のおかげで、運転士は線路脇にある信号機を注視する負担から解放されます。
なお、運転室から「チン」という音が聞こえることがありますが、これは信号が変わったことを運転士に知らせる車内信号機の警報の音です。(→閉そく方式、ATC)