会長あいさつ

就任2年目を迎えるにあたり、まずはこの一年間、皆さま方には、日頃から民営鉄道業界に対し格別のご理解とご支援を賜り、心より御礼と感謝を申しあげます。

さて、昨年は、半年にわたって開催された大阪・関西万博が成功裡に終わり、また外国人旅行者数も過去最多を記録するなど、お客様の移動需要が大きく後押しされることとなり、鉄道事業者にとって非常にありがたい一年でありました。
しかしながら、実状は、テレワークをはじめ人々の行動変容等により、輸送人員はなかなかコロナ禍前の水準には戻らず、また人手不足の深刻化や物価の高騰等も生じ、鉄道事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。とりわけ、地方民鉄の経営環境は一層厳しさが増しております。
加えて、老朽化する施設インフラの更新や激甚化する自然災害への対応等が急務となっており、また今後も引き続きバリアフリー化やGX・DXの取組をより加速していく必要があります。
さらに足もとでは、イラン情勢の影響を受けて、動力費(電力費)の高騰のほか、機器の整備や保守に必要な石油由来製品の不足などが懸念されます。

このように当業界には数々の課題が山積しておりますが、日本の民営鉄道は、国民生活に不可欠な公共交通機関であるとともに、我が国の経済社会を支える基礎的な交通インフラとして、日本の社会において大きな役割を担っておりますので、当協会および加盟各社は、上記の様々なハードルを乗り越えながら、この重責を引き続き果たせるよう、また同事業が持続的に発展できるよう、力を合わせて懸命に取り組んでいるところであります。

そうした中で、業界団体である当協会では、2年ほど前から定款の改正や運営の見直しなどの改革を推し進めてきており、今年度は、その一連の改革の総仕上げとして、政策提言力や要望活動力の強化と発揮を目指して取り組むことを掲げております。 具体的には、業界のニーズを的確に汲み取ることはもちろんのこと、重要な課題について、関係委員会のもとに新たに研究会を設置するなどして検討を加速し、できるだけ速やかに一定の成案を得るように努めてまいります。そのうえで、課題の解決に向け政策の提言等を行い、当協会の果たすべき役割や責務を可能な限り全うできるよう、最善を尽くしてまいる所存であります。

皆さま方には、当協会のこのような取組に対し、引き続きこれまでと変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。

2026(令和8)年5月22日
一般社団法人 日本民営鉄道協会会長
杉山 健博

一般社団法人 日本民営鉄道協会会長 杉山 健博