会長あいさつ

このたび日本民営鉄道協会の会長に選任されました杉山でございます。
会長という重責を担うこととなり、身の引き締まる思いですが、これからの2年間、会長として、会員各社とともに民営鉄道業界を取り巻く諸課題に積極的に取り組み、鉄道の有する公共的な使命にしっかりと応えていけるよう協会の運営にあたってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

さて、鉄道事業者にとって非常に厳しかったコロナ禍からもようやく抜け出し、多くの会社で業績が回復してきておりますが、実状は、人々の行動変容等により輸送需要が元には戻らず、また人手不足の深刻化や物価の高騰等が生じ、鉄道事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。特に、地方民鉄においては、従前からの輸送需要の低迷にコロナ禍の影響が加わったこともあり、その経営環境は一段と厳しくなっております。
これら以外にも、施設の老朽化が進み、また自然災害が激甚化し、さらには脱炭素化への取組が急務となるなど懸案が山積しておりますので、諸々の課題に真摯に向き合いながら、公共交通機関としてより安全・安心で、便利で快適な民営鉄道を目指し、会員各社とともに民鉄業界の発展に尽力してまいる所存であります。

具体的には、次のような取組を推し進めてまいりたいと考えております。

  • 第一に、会員各社の経営基盤の維持・強化や利用者利便の更なる向上に向けて、政策の提言や要望活動を通じ、必要となる制度面や財政面での支援に繋げてまいります。
  • 第二に、前会長の取組を継承して、協会の運営の見直しを着実に進めますとともに、引き続き、観光需要の取込など鉄道利用の促進や、人材の確保・育成等の問題に取り組んでまいります。
  • 第三に、協会は会員各社にとって有意義であり、頼りになる存在であらねばなりませんので、協会の存在感を一層発揮できるよう、これまで以上に発信力の強化に努めてまいります。

皆さま方には、私どもの以上のような取組に対し、引き続きこれまでと変わらぬご理解・ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げ、就任のご挨拶とさせていただきます。

2025年5月23日
一般社団法人 日本民営鉄道協会会長
杉山 健博

一般社団法人 日本民営鉄道協会会長 杉山 健博